INTERVIEW
この場所でしかできない
唯一無二の
共用部インテリア空間デザイン。
光井純アンドアソシエーツ
建築設計事務所株式会社
光井 純Jun Mitsui共用部インテリアデザイン監修
1978年に東京大学工学部建築学科を卒業後(辰野賞受賞)、岡田新一設計事務所で4年間勤務し、イェール大学建築学科大学院に進学。84年にAIA学生賞および最優秀作品賞(HIフェルドマン賞)を受賞して修士号を取得。その後シーザー・ペリ&アソシエーツ(現ペリ クラーク&パートナーズ)米国建築事務所で勤務後92年に帰国し、シーザー・ペリ&アソシエーツ ジャパン(現ペリ クラーク&パートナーズ ジャパン)を創立した。現在は光井純&アソシエーツ株式会社と両社の代表取締役として、また日米両国の登録建築家として国内外の様々なプロジェクトに取り組んでいる。2007年にはAIAジャパンの会長も努め、グッドデザイン賞、BCS賞など受賞多数。2026年、AIAフェロー(FAIA)に選出。
「道行き」が愉しい体験型の空間。
膏薬辻子を歩くと昔の佇まいや歴史建造物など、落ち着いた美しい風景が広がっています。その風景の中に調和し、後世に受け継いでいけるデザインをつくり上げると同時に、住まう方が幸せになれることを大切にしたいと考えています。太陽の高さによって生まれる陰影や、建物の中と外を緩やかに繋ぐ縦格子の表情など歩いて変化する街並みを私たちは「道行き」と呼んでいますが、その「道行き」が愉しい体験型の空間をつくることを意識して取り組みました。
- 手仕事から生まれる
「時間」と「空間」の変化。 - メインエントランスをくぐり廊下を進むと庭の気配が現れ、やがてサブエントランスに繋がっていく。この歩みの中で大切にしたのは「時間」と「空間」の変化です。古来より京都が育んできた手仕事、例えば格子、木材、和紙、塗り壁などを現代的に進化させ、配した美しい空間を、少しずつ歩を進めて体験していく。帰宅時にはほっと癒され、自分が大好きな京都の歴史と文化の中に身を置く喜びに浸ることができる。そうした時間と空間をぜひ提供したいと考えています。
- 行燈のほのかな光が導く現代的通り庭。
- エントランス空間は、千年を超え培われてきた京都の通り庭のように、歩くにつれて次が展開するというドラマ性を創出しました。まず正面の壁で視線を受け止め、そこから角を連ねるように奥行きを重ね、やがて行燈の光が迎え入れる。人間のサーカディアンリズムのサイクルにも順応するほのかな光が天井や床にぼんやりと映り込み、空間の広がりを感じさせます。行燈によって導かれていくと、柔らかい光で包まれたラウンジに到着する、その光のシークエンスも大事にしました。
LOUNGE
自然の造形と人の技が
引き立て合うラウンジ。
ラウンジ空間もエントランスと同様に奥行きを大切にしました。正面からまっすぐ入るのではなく、まず小さな庭を設け、漆のお盆に植物を活けたような景色を介して、満月を思わせる円形の入口へ誘います。縦格子に切り取られた円はまるで竹林の向こうに浮ぶ月のようで、ひとたびくぐれば、自然石のベンチが迎えるラウンジ空間が広がります。この対比が、京都の感性に通じる調和を生み出します。ここに座り、細やかに表情を整えられた枯山水の山のような石や砂紋を眺めながら一日を振り返る、あるいは住まう方同士が自然と会話を交わす—そんな一期一会の時間が生まれる場所を目指しました。自然の造形と人の技が互いを引き立て合うことで、空間は豊かな表情を宿します。建築は自然と人の協奏であり、その絶妙な均衡を整えることこそ私たち建築家の役割だと考えています。
Jun Mitsui actual results光井純 実績
Four Seasons Hotel & Hotel Residence Kyoto Driveway
Hotel / 2016
Tokyo International Airport International Passenger Terminal 2
Airport, Public, Commercial / 2020
laboratory, hall, restaurant, R&D,
Office/2020(2022年春稼働)